旅の話

大人女子(50's)の旅支度。旅の他、映画・海外ドラマの忘備録。

MAJOR CRIMES(メジャークライムス) ロス市警に定年はないのか?

ちょっと前から「MAJOR CRIMES(メジャークライムス) ~重大犯罪課」という海外ドラマに地味にはまっています。かなりお気に入り。

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写真はWBの公式サイトより

概要

元々は、シーズン7まで続いた人気ドラマ「クローザー」のスピンオフとしてスタート。 「クローザー」で、主人公のブレンダ(キーラ・セジウィック)とことあるごとに対立していた内務調査員、シャロン・レイダー(メアリー・マクドネル)が主人公。 なんとブレンダの後任として、重大犯罪課のチーフに就任するところから話は始まります。

尊敬していた上司ブレンダとは犬猿の仲だった相手が、次の上司に決まり、重罪犯罪課は騒然。レイダーは、当然チームから反感をかうことになります。

しかし、レイダーの筋のとおった有能な仕事ぶりに、チームも再び結束し、事件を解決していきます。

自白か司法取引か?

面白いのは2人の事件解決への戦略の違い。 ブレンダは、CIAで容疑者への尋問技術に関する訓練を受けており、ドラマのタイトルどおり(「クローザー(事件を終わらせる)」)、巧みな尋問で事件を解決へ導きます。

一方のレイダーは、犯罪捜査の合理化を理由に司法取引を多用するスタイル。 最初は、これが今まで容疑者の自白を重視してきたチームには受け入れがたいものだったのですが。

海外ドラマではお馴染みの司法取引とは、被告人と検察官が取引をし、被告人が共犯者を告発する、あるいは捜査に協力するなどして、求刑の軽減や罪状の取り下げを行うこと。 裁判にかかる時間と費用を節約できる一方、法を熟知し、巧みに取引できるスキルがなければできない戦略です。

日本では馴染みのない司法取引を駆使して、事件を解決へ導くストーリーに引き込まれます。

還暦超えのベテランが大活躍

それにしても、驚くのは重罪犯罪課メンバーの平均年齢の高さ。

私が視聴中のシーズン4では、レイダーをチーフとして、以下3名の警部補、2名の巡査部長、1名の技術者(のちに巡査になる?)の計6名でチームは編成されています。

レイダー自身60代ですが、その他のメンバーも60代が3名(プロベンザ、フリン、タオ)、50代2名(サンチェスとバズ)、エイミーだけが30代(役者の実年齢)。

今時の60代なんて若々しい人が多いけれど、重罪犯罪課というストレスありそうな職場において、還暦過ぎても全員バリバリの現役です。 仕事の面だけじゃなく、フリンは、途中からレイダーが好きなってしまい、熟年の恋愛話も進んでいきます。フリンの相棒プロペンザも結婚と離婚を繰り返す懲りない男。シーズン4では、犯人の祖母と結婚式を挙げていました。やるなぁ~。

レイダーはフリンが恋しちゃうのも納得できる、外見も内面もとてもステキな女性です。 「グッド・ファイト」のダイアン・ロックハートクリスティーン・バランスキー)に負けず劣らずの脚線美。職業柄華やかなファッションではないけれど、細身のスーツをピシッと着こなしています。

また、クローザーのブレンダは、けっこう無茶することがあったけど、レイダーは、終始一貫筋を通し、決してダブルススタンダードにはなりません。あくまでも公平。部下に対しても、規律違反や甘えは許さないけれど、時に全力でサポートします。 それゆえ、最初は反感を持っていたメンバーの信頼を得ていったのでしょう。

ラスティなくしてドラマは展開せず

原則的に1話完結型のドラマですが、それとは別に大きな事件がシーズン全体にからんでいます。

その犯罪現場を偶然目撃したのが、ラスティ・ベック。 麻薬中毒患者の母親に捨てられ、売春しながらホームレス生活を送っていた17歳の少年です。 事件以降、証人保護プログラムを受けることになったラスティは、やがてレイダー警部と暮らし始めます。壮絶な生い立ちのせいで、最初は手に負えないラスティですが、やがて二人の関係は本当の親子のように変化していきます。

ラスティとレイダーの関係が、本当に泣かせる。 血縁関係がないにも関わらず、そこにあるのは無償の愛。 実の子供たちが既に独立しているレイダーにとっては、新しい息子ができたようなもの。 ラスティは、レイダーとの同居をとおして、これまで得られなかった“ありふれた生活”を経験します。朝ごはんを食べたり、学校へ行ったり、放課後に友だちと勉強したり。そんな普通の暮らしがラスティにはなかったんですね。

ラスティは、自分を捨てた実の母親も嫌いにはなれないし、自分が同性愛者であることを自覚して悩みもします。それでも大学へ進学し、ついにはレイダーの養子となります。

ラスティが同性愛であることをチームのみんなにカミングアウトするシーンや大学でジャーナリズムを専攻し、自分メディアを立ち上げるシーンには、彼の成長を感じます。 環境と教育、そして愛情は、子供にとってやはり大事ですね。

ちなみにラスティとレイダーの関係がツボにはまる人多いようで(私もです)、Youtubeで検索すると、二人のオススメシーンだけをまとめた動画がたくさん見つかります。 号泣したい時に、お勧めの映像。

それにしても60代女性が主人公のシリアスな警察ドラマって、なかなかないのでは? シーズン6をもって終了することが決定しているようですが、ファンがSNSを使って、メジャークライムの存続を訴えているそう。 それだけ人気があるドラマってことですね。確かに、年齢的にシーズンを続けていくのは苦しい面もあるのかもしれませんが、現在65歳のレイダーことメアリー・マクドネルだったら、あと3年くらいはできそうなのになぁ~。

あまりにお気に入りで、字幕版と吹き替え版と両方見たりしている始末。 このドラマのことなら、まだまだ語れますが、とりあえずこの辺で。