旅の話

大人女子(50's)の旅支度。旅の他、映画・海外ドラマの忘備録。

『サバービコン 仮面を被った街』(ネタバレ)クルーニーくん もう少しがんばりましょう

私が大好きなコーエン兄弟脚本の『サバービコン 仮面を被った街(原題:Suburbicon)』を鑑賞。 先に公開されたアメリカでも、評価はイマイチのようですが、コーエン兄弟ときけばファンとして無視はできない。 正確には、お蔵入りになっていたコーエン兄弟の脚本にジョージ・クルーニーと彼のビジネスパートナーでもあるグラント・ヘスロヴが手を加え、クルーニーが監督となって制作した映画。

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大人女子の海外旅行 一人旅を楽しむコツ

ここ数年一人旅ばかりしています。 意図したわけじゃないですが、仕事の都合で友人となかなか都合があわず、待ちきれずに一人旅を決行した次第。

私が旅行に誘う親友たちも、なんとアラフィフになってから、一人旅を始めています。 理由は同じく、友だち(私を含む)と都合が合わないから。

私は特に一人旅大好き、というわけじゃないけれど、海外へ行きたい気持ちが一人旅への不安に勝ったというところでしょうか。 人生も後半戦、友だちと都合が合う日を待っている時間はもったいない、と思ったのです。

最初の一歩が踏み出せない方へ、私の(少ない)経験から「初めての“アラフィフ”一人旅」を楽しむためのコツを紹介させていただきます。

旅の予定には余裕をもたせる

せっかくの海外旅行。訪れたい場所は山のようにあるかもしれませんが、訪問場所を絞って時間に余裕をもたせましょう。 初めての一人旅は、楽しい反面、想像以上に緊張して疲れるもの。 慣れない現地での移動に手間取ったり、予期せぬハプニングに見舞われても、スケジュールに余裕があれば、時間的にも体力的にもパニックに陥らずに対応できます。

緊張やストレスでヘトヘトにならないように!

最初の旅先はメジャーな都会を選ぶ

一人旅初心者なら、いきなり秘境やリゾート地を目指すのは避けましょう。 いや、もちろん「私は、そんなの全然平気!」って方は止めませんが。

たとえばパリやニューヨークなら、あなたが一人だろうと誰も気にしません。 中年女性がひとりで気軽に入れるカフェもたくさんあるので、食事をする場所にも困りません。 また、こうした街には、美術館やミュージカル、コンサートなど、おひとり様でも誰の目も気にせず楽しめるエンターテイメントもたくさんあります。

化粧品など何か持ってくるのを忘れたとしても、都会なら現地で調達できます。

必要なものが簡単に手に入るだけでもストレスフリー。

個人的には、ウィーンやベルギーあたりがおススメ。

オプショナルツアーに参加してみる

日本の旅行会社が実施している現地オプショナルツアーに参加してみるのもいいでしょう。 フランスなら世界遺産モンサンミッシェル日帰りツアー、サンフランシスコならナパバレーのワイナリーめぐりなど。

日本の旅行会社の企画ですから、ガイドも参加者も日本人。 日本語が恋しくなったら、ガイドさんへ質問すれば、喜んで答えてくれます。 同じように一人で参加している旅行者もいるかもしれません。

アットホームなホテルに泊まる

家族経営の老舗ホテルやおしゃれなブティックホテルなど、そこにしかないホテルを予約することをお勧めします。

家族経営の現地密着型ホテルは、アットホームでお部屋も居心地がいいことが多いです。 毎日出歩く体力がなければ、半日、もしくは1日は、ホテルで本を読んだりお茶を飲みながら過ごしてもいいと思います。まるで、その土地で暮らしているような気分にさせてくれます。 ただし、最寄駅や街の中心部から遠すぎない場所にあること! 私がポルトガル第2の都市、ポルトで宿泊したホテルは、ずっと部屋に引きこもっていたくなるようなステキなお部屋でした。

旅に期待しない

一人旅をしたからといって、何かが変わるわけじゃありません。 精神的に成長する? アラフィフのあなたは、おそらくもう十分に成長しているので、1週間やそこらで価値観が変わることもないでしょう。 現地の人と交流がもてなくても、有名な観光スポットを見逃しても、ご当地グルメが食べられなくても問題なし。 ただ、日本での日常のタスクや面倒くさい人間関係、仕事から離れて、のんびりと過ごせばいいだけ。それで十分だと思います。

アラフィフ女性の一人旅、増えるとうれしい。 どこかでお会いできたらいいですね!

海外旅行 ナパ・ヴァレーで癒される

まだまだ行ったことがない国がたくさんあるのですが、再訪したい国や場所もたくさんあります。 その一つが、Napa Valley(ナパ・ヴァレー)。 アメリカのカリフォルニアワインの一大産地。世界的にも有名で、大小400ものワイナリーがあるのです。

私は、以前、仕事でサンフランシスコへ行ったついでに1日有給をとって訪れたことがあるのですが、忘備録として、ここに紹介させていただきます。

サンフランシスコからは、日系の旅行会社を始め、多くの会社が日帰りのオプショナルツアーを催行しています。 「飲む」こと前提なので、こうしたオプショナルツアーに参加し、ドア・トゥー・ドアで送迎してもらうのが、一番楽な方法だと思います。

私が利用したのは、H.I.S.。現地で申込をしました。 当日の朝、ホテルまで迎えにきてくれて、私の他の参加者は、ワインに詳しい中年のご夫婦、若い新婚さん、そしておひとり様の私(ほっとけ!)。

日帰りツアーということもあり、数多くあるワイナリーから、超有名どころをピックアップして訪問。

ドメーヌ・シャンドン Domaine Chandon

ナパバレーにあるスパークリングワインメーカです。 お城のような佇まいのワイナリーで朝から飲むスパークリングの美味しさといったら! カリフォルニアの青い空の下、心も豊かになりました。

ロバート モンダヴィ ワイナリー Robert Mondavi Winery

カリフォルニアワイン発展の第一人者であるロバート モンダヴィのワイナリー。 スーパーマーケットなどで必ずみかけるブランドなので、なんとなく「安いワイン」のようなイメージがありますが、高品質のワインもたくさん作っています。 ここで買ったちょっとお高めの白ワイン、超絶美味しかった。 大手ワイナリーなので、建物もゴージャス。 地平線まで続いていそうなワイン畑の緑が目にしみます。

オーパス・ワン・ワイナリー Opus One Winery

ワインが好きな人なら知らぬ人はいない、ナパワインの最高峰。 とっても財布にイタイお値段のワイン。 フランスのシャトームートンロートシルトとロバートモンダヴィが共同所有するワイナリーです。 ラベル(エチケット)には、シャトームートンロートシルトとロバートモンダヴィの横顔のシルエットがデザインされています。 ここは予約が必須。 テイスティングのグラスワインも強気のお値段ですが、日本のレストランで飲むことを考えたらリーズナブル。 結婚式なんかもできる豪華な建物です。

すごく羨ましかったのは、受付のお姉さん。 端末の前に座って、訪問客の予約番号を確認しているだけ(?)の仕事なんだけど、なんと、手元にはワイングラスが…。 飲みながら仕事してる! しかもオーパスワイン! 市場には出回らない格下ワインかもしれないけど、オーパスオーパス。腐っても鯛(ちょっと違う?)。 澄んだ空気と美しい景色、ほどよい気温。そんな中でワイン片手に仕事って、最高。

ナパバレー・ワイントレイン Napa Valley Wine Train

ナパの街から出発しセントヘレナまでの往復60kmを3時間かけてのんびり走る列車。車窓の眺めを楽しみながら、ワインとランチやディナーが楽しめます。新婚さんカップルとは、ここでお別れ。二人はワイントレインで去っていきました。 残った私たちは、ナパ駅の待合室でもワインのテイスティング

ヴィー・サトュイ・ワイナリー V.SATTUI WINERY

デリカテッセンが併設されているワイナリー。 デリカテッセンで購入したデリとワインを持って、ワイナリーでピクニックができます。 ここへ到着した時は、すでに軽く酔っぱらっていましたが、楽しくランチ。 道路挟んだ向かいには「DEAN&DELUCA(ディーン&デルーカ)」がありました。

もうひとつ、映画監督フランシス・コッポラが持つワイナリー、フランシス・フォード・コッポラワイナリーへも行きたかったのですが、当日は、残念ながら貸し切りで入れず。 プルデンシャル生命保険株主総会だったかボードミーティングだったかをやっていました。 羨ましいじゃないか。

私は、ワイン大好きなので、もちろんワイナリーは最高に楽しめたのですが、広大なワイン畑やカリフォルニアの青い空と澄んだ空気に本当に癒されました。 帰りも車でホテルまで送ってもらえるから、気にせず酔えるし。

ツアーには一人で参加したけれど、一緒に参加された中年ご夫婦がワイン通の方で、いろいろ教えてもらえたのもラッキー。

まだまだ訪問したいワイナリーもあるし、「オーベルジュ ドゥ ソレイユ」という高級リゾートホテルもとても気になりました。 帰国後にサイトなどで確認すると、眺めもお料理もゴージャスそのもの。 ただし、予約がなかなかとれないらしい。 ちなみにオーベルジュとは、簡単にいうと泊まれるレストラン。

次回は、ぜひここに泊まりたい。

「不安」との付き合い方

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昔からわりとネガティブ思考なので、いつも「最悪の事態」を想像してしまう。

 

ここ10年間の大きな不安は、以下の3つ。


1.リーマンショック後40代半ばでの転職活動中、「再就職できなかったらどうしよう?」
2.両親が弱ってきたときに、「寝たきりや認知症になったらどうしよう?」
3.マンションを購入したとき、「貯金がなくなったけど(そしてローン抱えたけど)、何かあったらどうしよう?」

 

特に就職や親に関する心配や不安は、地方から上京して一人暮らしをしている者にとっては、現在の生活を捨てて「実家へ戻る」ことになる可能性大なので不安度も高くなる。

 

リーマンショック後の転職活動は10カ月にもおよび、途中から“練習”の意味も含め、「とりあえず毎週2社以上へ応募する」みたいなタスクを自らに科していたため、100社近くに履歴書を提出したと思う。ある意味、この道(どの道?)のプロになれたのではなかろうか…。

 

「不安」に押しつぶされそうになって一番困るのは、冷静な判断ができなくなったり、集中力・思考力が低下したりすること。脳内が慢性的にパニック状態に陥っている感じ。

 

だから人によっては、うっかり(?)お酒や占いにはまったり、怪しげな宗教の勧誘によろめいたりするのかもしれません。
幸い私は、何事にも熱くなったり夢中になったりしない性格のおかげで、不安度MAXでウツ状態になっても、何にもはまらなかったけど。
テンション低めの性格も、こういう時は役にたつんだな、と変なところで自分を見直した。

 

私の場合、1と2は一旦解決。
転職できたし、実は、この10年間に相次いで両親が亡くなりました。父母ともに寝たきりや認知症になることもなく、なんとも子供孝行な親だったな。

3.のお金の不安は、ふと頭をよぎる程度で、限りなく「ない」に近いけど「ゼロ」じでもないかなー。

 

その一方で、あらたな「不安」も。


ひとつは、転職したもののベンチャー企業がゆえに運営が不安定。会社が来年も再来年も存続しているとは限らないという不安。実際、転職後に投資会社へ経営権を売り渡してガラッと仕事が変わったこともあり、良くも悪くも明日が見えにくい。

 

もう一つは、両親が亡くなったことにより、お墓や空き家(実家)問題が浮上。
不安というより心配なんだけど、何から手をつけたらいいのやら…。

 

ただ、長年「不安」とつきあってきた結果思うのは、不安というのは、ほとんどが「まだ起こっていない不確定な将来」に対するものであるということ。

 

「起こるかどうか確定していないこと」について、長時間考え続けるのは、貴重な残りの人生を浪費することになりかねない。しかも、「解決策」を考えているわけではなく、「~になったらどうしよう?」と未来を想像することに時間を費やすのは無意味なこと。

 

「自分で解決できそうな(起こることを防止できるかもしれない)こと」ならまだしも、「自分ではどうにもならないこと」を不安がるのは時間がもったいない。

 

そもそも「予測できない未来への不安」は、「危険を避けて安全に生き延びたい」という生物としての本能らしいので、生きている限り「不安」がなくなることはないのかも。

そうであれば、「不安」は「苦手だけど完全に縁を切るのは難しいもの」、と割り切ってつき合うしかない。
口うるさい親戚のオバチャンのような存在。テキトーにあしらうしかない。

 

そうはいっても、知らぬうちに「~どうしよう?」と不安が頭から離れなくなってしまうのが人間というもの。

「あっ、また考えてる」と気づいたら、体を動かしてもいいし、ブログをかくのでもいいし、その都度、思考のベクトルを意識的に変えるしかない。

それも最初は難しいかもしれないけど、何事も練習は必要。


最近は、「心配症の人は豊かな想像力を持つ天才の可能性が高い」なんて研究報告もあるらしい。
パーソナリティの神経生物学専門家、Adam Perkins氏によれば、「本当に多くの偉人たちが、沈みがちで、考えすぎで、神経症的傾向にありました。たとえば、アイザック・ニュートンチャールズ・ダーウィンフィンセント・ファン・ゴッホカート・コバーンなどの人生を考えてみてください。考えすぎとクリエイティブの関係が自ずと見えてくるのではないでしょうか」なんだとか。

末路を考えると、ゴッホカート・コバーンはサンプルとして微妙なセレクションではあるけれど、少なくとも不安は「想像力の賜物」にはちがいないのかもしれません。

www.higherperspectives.com

映画「ハドソン川の奇跡(原題:Sully)」 

字幕の勉強のために「ハドソン川の奇跡」を鑑賞。 2009年に実際に起きた航空事故の生還劇とその後の出来事を描いた映画です。 クリント・イーストウッド監督・製作。トム・ハンクス主演。

まったく期待していなかったのですが、すごくよかった。 なんかこみ上げる感動があったのでご紹介。

あらすじ

2009年1月15日、ニューヨーク。USエアウェイズ1549便がニューヨーク・マンハッタン上空を飛行中、バードストライクによって全エンジンが停止、コントロールを失う。ベテラン操縦士サレンバーガー(サリー)機長(トム・ハンクス)は、苦渋の決断の末、ハドソン川に機体を不時着させる。その結果、1人の犠牲者も出さず、この生還劇は「ハドソン川の奇跡」として全世界に報道され、機長ら乗務員は英雄として称賛される。 事故から数日後、国家運輸安全委員会 (NTSB) によって事故原因の調査が行なわれた。 サリーと副操縦士のジェフリー・スカイルズは、その過程でハドソン川不時着の判断が適切であったかどうか、また、左エンジンは本当は動いていたのではないかという疑いを持たれ、空港への着陸が可能だったとするNTSBから厳しい追及を受けるのだが…。

 

感想

公開時に見ていない理由の一つは、クリント・イーストウッドの監督作品だったから。 彼が、とてもすばらしい俳優であり監督であることに異存はありません。 ただ、彼の監督作品である「ミスティック・リバー」や「ミリオンダラー・ベイビー」を鑑賞した後の「やりきれない気分」、日常生活に支障をきたしそうなモヤモヤ感を消化するのが難しく、その後の作品は見ていないのです。 念のためにいうと、「ミスティック・リバー」も「ミリオンダラー・ベイビー」もアカデミー賞をはじめ数々の賞を受賞している優れた作品ではあります。

 

さて、本題の「ハドソン川の奇跡」。 この航空事故は、当時、かなり大きなニュースとなったので、私も記憶があります。 ニュースをみながら、「マンハッタン上空を低空飛行する機体を見た人は、2001年9月11日の同時多発テロを思い出し、『またか!』と思ったんじゃないかな?」とか「不時着後、30分足らずで全員を救助したって、すごい連携プレーだな」などと思ったものです。

 

映画を見る前は、そんな奇跡の不時着劇を称賛する内容かと思っていたのですが、ちょっと違いました。 むしろ、事故後、国家運輸安全委員会に判断ミスを疑われる機長のお話。

 

驚くことに、ニューヨークのラガーディア空港を離陸してからマンハッタン上空でエンジンが停止し、ハドソン川へ不時着するまで、なんと5分間の出来事だったそうです。

 

航空事故のシーンが描かれているにもかかわらず、全体的にはとても静かで地味な作品です。 そこがいい。 「劇的」な装飾がない分、リアルさを肌に感じる。 サリーは、世間から英雄視される一方で、ローンの心配をしたり、ちょっとPTSD気味になったり、解雇されたら退職後の仕事に響くなと心配したり。その様子が極端じゃなくて人間味がある。 ラストのサリーのセリフもトム・ハンクスの抑えた演技と共にじわじわと心にしみます。ところどころで泣きそうになってしまったのは、年のせいだけではないでしょう(たぶん)。

 

映画の後半、公聴会国家運輸安全委員会から責任を追及されるサリーとジェフリー。 コンピュータ上のシミュレーション、パイロットによるフライトシミュレーションの双方で、ラガーディア空港及びテターボロ空港双方への着陸が可能だったことが示されたからです。 しかし、シミュレーションからは155名の人命を背負ったパイロットが状況判断に要する人的要因(思考時間や心理状態)が排除されていると、“冷静に”抗議するサリー。 生まれて初めてトム・ハンクスをカッコいいと思いました。

乗客全員の命を救ったのに責任を追及されるような場においても、冷静でいられる精神こそ、機長の資質なのかもしれません。

 

実際のサリー機長は1951年生まれなので、この事故の時、58歳。超ベテラン操縦士です。 長年の経験とプロ意識が成し遂げた「仕事」に感動しました。

ミスティック・リバー」や「ミリオンダラー・ベイビー」同様、鑑賞後も心がざわついたままなのですが、ポジティブなざわつき感なのでよし。

Netflixなどでも配信中。 96分というコンパクトな映画ながら見ごたえがある作品です。

ぜひぜひ見て欲しい。

自立とは依存先を増やすことである

昨年、父を亡くした。

89歳だったので大往生と言える。
5年前に母を亡くして以来、父は、地方の一軒家でひとり暮らしをしていた。
「ひとり」で暮らしていたけれど、父の生活は「孤独」ではなかったと思う。
生まれ育った土地でこそなかったものの、そこには頼れるコミュニティがあったから。

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映画「WAKITA PEAK(ワキタピーク)」

友人の英日字幕翻訳者さんが担当したドキュメンタリー映画WAKITA PEAK(ワキタピーク)」の試写会へ行ってきました。

日本映画を見る機会が少ないので、今回はとても貴重な時間をいただきました。

あらすじ

サーフィンの聖地ハワイ・ノースショア。

奇跡の7マイルと呼ばれるそのエリアには、世界屈指の波が無数に存在する。

中でも別格なのが、パイプライン。世界で最も危険で美しい、波の女王だ。

その波に世界で唯一自分の名前を刻んだ日本人サーファー、脇田貴之。

ハワイアンにとって海は生活のすべてであり、神聖な場所。

脇田はそんなハワイアンたちを尊重し、彼らも手を出さない巨大で危険な波だけが来る場所で波を待つようになった。

いつしか人はその場所を「WAKITA PEAK(ワキタピーク)」と呼ぶようになったのだった。

(公式サイトより抜粋)

感想と概要

若い頃に自分が好きなことや夢中になれることを見つけて、それにフォーカスした人生を送っている人を、常々うらやましく思っています。

私自身は、夢や目標に向かって熱く生きる人生とは無縁。

もちろん、そんなものはなくても人間は愛にあふれた充実した人生を送ることはできます。

むしろ、夢や目標がなきゃダメ、という既成概念にしばられたくない。

しかし、人生はいろいろで、自分とはまったく共通点がない他人の人生に触れる瞬間があるからこそ面白いのです。

このドキュメンタリーの主人公、脇田貴之はプロサーファー。

いわゆる「好き」を仕事にした人です。しかも、家族全員がサーフィンに夢中という理想的な一家。家族が、共通の話題でケンカや言い争いができるって、実は、とても幸せなことだと思います。

また、自分の好きなことを何年も追い続けていく生き方は、シンプルで美しい。

良い日もあるし、悪い日もあるけれど、自分軸がぶれない日々の積み重ねが未来を創造していると感じます。

何かに夢中になっている人がいて、同じ夢を持つ家族がいて、ハワイの海が美しくて。

もう、毎日のToDoがどうでもいいや!って気分になってしまう映画です。

公開劇場:ユナイテッドシネマアクアシティお台場(6月8日〜)

出演:脇田貴之 脇田泰地 脇田紗良 脇田小百合

監督・撮影・編集:清野正孝

 

製作:インタナシヨナル映画/アヴィエイター・ジャパン

2018 年/日本/カラー/95 分