旅の話

大人女子(50's)の旅支度。旅の他、映画・海外ドラマの忘備録。

「不安」との付き合い方

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昔からわりとネガティブ思考なので、いつも「最悪の事態」を想像してしまう。

 

ここ10年間の大きな不安は、以下の3つ。


1.リーマンショック後40代半ばでの転職活動中、「再就職できなかったらどうしよう?」
2.両親が弱ってきたときに、「寝たきりや認知症になったらどうしよう?」
3.マンションを購入したとき、「貯金がなくなったけど(そしてローン抱えたけど)、何かあったらどうしよう?」

 

特に就職や親に関する心配や不安は、地方から上京して一人暮らしをしている者にとっては、現在の生活を捨てて「実家へ戻る」ことになる可能性大なので不安度も高くなる。

 

リーマンショック後の転職活動は10カ月にもおよび、途中から“練習”の意味も含め、「とりあえず毎週2社以上へ応募する」みたいなタスクを自らに科していたため、100社近くに履歴書を提出したと思う。ある意味、この道(どの道?)のプロになれたのではなかろうか…。

 

「不安」に押しつぶされそうになって一番困るのは、冷静な判断ができなくなったり、集中力・思考力が低下したりすること。脳内が慢性的にパニック状態に陥っている感じ。

 

だから人によっては、うっかり(?)お酒や占いにはまったり、怪しげな宗教の勧誘によろめいたりするのかもしれません。
幸い私は、何事にも熱くなったり夢中になったりしない性格のおかげで、不安度MAXでウツ状態になっても、何にもはまらなかったけど。
テンション低めの性格も、こういう時は役にたつんだな、と変なところで自分を見直した。

 

私の場合、1と2は一旦解決。
転職できたし、実は、この10年間に相次いで両親が亡くなりました。父母ともに寝たきりや認知症になることもなく、なんとも子供孝行な親だったな。

3.のお金の不安は、ふと頭をよぎる程度で、限りなく「ない」に近いけど「ゼロ」じでもないかなー。

 

その一方で、あらたな「不安」も。


ひとつは、転職したもののベンチャー企業がゆえに運営が不安定。会社が来年も再来年も存続しているとは限らないという不安。実際、転職後に投資会社へ経営権を売り渡してガラッと仕事が変わったこともあり、良くも悪くも明日が見えにくい。

 

もう一つは、両親が亡くなったことにより、お墓や空き家(実家)問題が浮上。
不安というより心配なんだけど、何から手をつけたらいいのやら…。

 

ただ、長年「不安」とつきあってきた結果思うのは、不安というのは、ほとんどが「まだ起こっていない不確定な将来」に対するものであるということ。

 

「起こるかどうか確定していないこと」について、長時間考え続けるのは、貴重な残りの人生を浪費することになりかねない。しかも、「解決策」を考えているわけではなく、「~になったらどうしよう?」と未来を想像することに時間を費やすのは無意味なこと。

 

「自分で解決できそうな(起こることを防止できるかもしれない)こと」ならまだしも、「自分ではどうにもならないこと」を不安がるのは時間がもったいない。

 

そもそも「予測できない未来への不安」は、「危険を避けて安全に生き延びたい」という生物としての本能らしいので、生きている限り「不安」がなくなることはないのかも。

そうであれば、「不安」は「苦手だけど完全に縁を切るのは難しいもの」、と割り切ってつき合うしかない。
口うるさい親戚のオバチャンのような存在。テキトーにあしらうしかない。

 

そうはいっても、知らぬうちに「~どうしよう?」と不安が頭から離れなくなってしまうのが人間というもの。

「あっ、また考えてる」と気づいたら、体を動かしてもいいし、ブログをかくのでもいいし、その都度、思考のベクトルを意識的に変えるしかない。

それも最初は難しいかもしれないけど、何事も練習は必要。


最近は、「心配症の人は豊かな想像力を持つ天才の可能性が高い」なんて研究報告もあるらしい。
パーソナリティの神経生物学専門家、Adam Perkins氏によれば、「本当に多くの偉人たちが、沈みがちで、考えすぎで、神経症的傾向にありました。たとえば、アイザック・ニュートンチャールズ・ダーウィンフィンセント・ファン・ゴッホカート・コバーンなどの人生を考えてみてください。考えすぎとクリエイティブの関係が自ずと見えてくるのではないでしょうか」なんだとか。

末路を考えると、ゴッホカート・コバーンはサンプルとして微妙なセレクションではあるけれど、少なくとも不安は「想像力の賜物」にはちがいないのかもしれません。

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