旅の話

大人女子(50's)の旅支度。旅の他、映画・海外ドラマの忘備録。

モン・サン=ミシェルのオムレツ

世界遺産のひとつ、観光地として有名なモン・サン=ミシェル(聖ミカエルの山)の思い出を紹介。

モン・サン=ミシェルは、フランスのノルマンディ地方、サン・マロ湾に浮かぶ小島で、岩山の頂上には8世紀初頭の修道院があります。

サン・マロ湾は、潮の干満の差が激しいことで知られています。そのため、かつてのモン・サン=ミシェルは、満潮時には海に浮かぶものの、干潮時には地面が現れ、歩いて渡れるようになっていました。 現在は橋が架けられていますが、その景観美は健在。人気の観光スポットです。

景観美を堪能するなら1泊すべし

私は、パリから日帰り旅行で訪れましたが、できれば1泊することをオススメします。 昼間のモン・サン=ミシェルも悪くないけれど、ガイドブックなどの写真を見ると、夜の暗闇に浮かぶ姿や朝日を浴びた姿は、幻想的でさらに美しい。

工事中のためイマイチな景観

モン・サン=ミシェルへの行き方

一番手っ取り早いのは、ツアーに参加することです。 日本の旅行会社の現地オプショナルツアーなら、安心ですね。

私は、個人手配で「電車とバス」で行きました。 以下のように、TGV(テー・ジェー・ヴェー)という高速列車とバスを使います。 日帰りの場合は、午前中には現地に到着できるような旅程を組むといいですね。

パリのモンパルナス駅(Gare Montparnasse)

↓ TGV乗車 レンヌ駅(Rennes)下車

↓ バス乗り継ぎ モン・サン・ミッシェル

ここから無料のシャトルバスに乗り、島の手前まで行きます。

TGVは、公式サイト(英語)もしくはレイルヨーロッパ(日本語)で予約できます。

超有名な観光地だけあって、モン・サン=ミシェルへのアクセス方法は、ネット上で数多く見つかります。 時刻表や所要時間など変更もあると思うので、「行く」と決めてから最新情報を入手した方がよさそう。

食事には期待するべからず

島内に入ると、頂上の修道院まで続く参道にお土産屋さんやレストランが並びます。 私はシーズンオフに訪れたせいか、観光客は少なめ。立ち並ぶ店を冷やかしながら修道院までのんびり歩きました。しかし、シーズン中は、原宿の竹下通り並み混雑するらしい。

参道の両脇にお店がたくさん

モン・サン=ミシェルご当地グルメは、オムレツ。 参道入口にある「ラ・メール・プラール」が、その発祥の地として有名ですが、ネットで検索すると、はなはだ評判が悪い(笑)。

要は、「味の薄いただのオムレツなのにバカ高い」らしい。

とはいえ、話のタネに、私はここで遅めのランチを食べました。

オムレツの由来をみると…。 「満潮時には海の中に孤立してしまうモン・サン=ミシェルには、食材が豊富とはいえない場所でした。しかし、危険を冒して島へ渡って来る巡礼者のお腹を満たすために、プラールおばさんが考案した、卵の白身を泡立ててフワフワに仕立てたオムレツ」だそうです。

はっきり言えば、元々食材に恵まれない土地で考案された(当時)貴重な卵を利用したカサ増し料理ですね。この時点で、安さと美味しさを求めてはいけないことが伝わってきます…。

というわけで、まったく期待せずにレストランへ。 シーズンオフ&遅いランチということもあり、店の中には、私も含め客は2~3組ほど。 従業員に余裕があるせいか、サービスはよし。

注文したのは、「オムレツ+サラダ+デザート」のセットメニューとグラスの白ワイン。 味は、いたって普通のオムレツ。

事前に検索した時は、「最低35ユーロのコースから~」との記事を多く目にしていたので、予算は飲み物入れて45~50ユーロくらいと覚悟(?)していました。

ところが、このセットメニュー、20ユーロ程度でした(正確な値段を覚えてない…)。 ちょっと拍子抜け。シーズンオフだから? 今となっては謎ですが、ラッキーってことで。

このオムレツに限らず、「ザ・観光地」へ行けば、観光客を狙ったトラップは、そこかしこにあると思います。 値段はともかく、「食」を売り物にした観光地以外で何かを食べるなら、美味しさを求めるより“経験”を楽しんだ方がよいと思います。

ちなみに「ラ・メール・プラール」、日本へも出店しています。 このオムレツを日本で食べる意味がよく分かりませんが。

デザート付きのオムレツセット

店内はステキ

 モン・サン=ミシェル修道院です

歴史ある地ですが、島の大半が現在も修道院として機能しています。 歩いていると、修道士さんや修道女さんとすれ違います。

708年、地元の司教が「この地に聖堂を建てよ」という大天使ミカエルからのお告げを受け、礼拝堂を造ったことが「聖ミカエルの山(モン・サン=ミシェル)」の由来だそう。

キリスト教信者じゃなくても、リスペクトの心を持って訪れたい地です。