旅の話

大人女子(50's)の旅支度。旅の他、映画・海外ドラマの忘備録。

「The Good Fight/ザ・グッド・ファイト」シーズン2

待ちに待った「The Good Fight/ザ・グッド・ファイト」シーズン2の配信が、アマゾンプライムで開始。 今年観ている海外ドラマの中では、一番好き。シーズン2全13話を仕事する時間を惜しんで(?)一気に鑑賞。 2016年まで続いた人気ドラマ「グッド・ワイフ(原題:The Good Wife)」のスピンオフだけど、グッド・ワイフとは、また違う面白さがあり目が離せない。

まったく年をとる気配のないクリスティーン・バランスキー66歳…。

シーズン1 & シーズン2 全体のあらすじ

弁護士を引退してフランスのプロヴァンスで穏やかに余生を送ろうと考えていたダイアン・ロックハートクリスティーン・バランスキー)。ところが、当てにしていた老後資金が、巨額の投資詐欺の被害をうけ破産の憂き目に。なんと、彼女が名付け親である新米弁護士マイア・リンデル(ローズ・レスリー)の両親にして、長年の友人であるリンデル夫妻が、その詐欺行為を働いていた張本人であることが発覚。評判がガタ落ちのダイアンに救いの手を差し伸べてくれたのが、黒人の弁護士事務所レディック&ボーズマン。そこで、ルッカ・クイン(クシュ・ジャンボ)や一緒に入所したマイアと共に、あらたなキャリアをスタートさせる。しかし、マイアは、両親の詐欺に加担していたと疑われ、FBIから執拗に追及を受ける。 ダイアンをはじめ、事務所全体も、トランプ大統領の発言や行動から派生する事件に頭を悩ませる。とうとうダイアンは、起訴寸前に追い込まれるのだが…。

打倒!トランプ大統領

「The Good Fight/ザ・グッド・ファイト」の撮影が始まった当初、まだトランプは大統領ではなく、スタッフ陣は、ヒラリーが勝利して女性初の大統領になると見込み、撮影を始めたそう。 「グッド・ワイフ」を観ていた人ならご存じでしょうが、ダイアンは、ヒラリー派。オフィスに、彼女とのツーショット写真が飾られていましたね。女性初の大統領政権のもと活躍する女性弁護士のストーリーになるはずが、予想外にトランプが勝って大統領になったため、ドラマは取り直しを余儀なくされたとのこと…。

今や、メディアを敵にまわし、ツイッターで言いたい放題のトランプ大統領。「The Good Fight/ザ・グッド・ファイト」は、完全に反トランプ派のドラマとして、日本じゃ考えらえないほど、名指しでガンガン攻めてくるのが、とってもとっても面白い。

たとえば、第7話では、民主党全国委員会顧問が、トランプ大統領を秘密裏に弾劾する作戦を立てるためにダイアンたちに話をもちかけてきた。また、第9話では、トランプ大統領と「ゴールデン・シャワー」(←意味がわからない人は、調べましょう!)の映像問題がテーマになっていたし。 それ以外にも、移民問題が何度も取り上げられ、ダイアンたちが現政権に心からウンザリしている様子がうかがえる。

「The Good Fight/ザ・グッド・ファイト」は、アメリカでも地上波放送ではないけれど、反トランプぶりがすごい。回を増すごとに「打倒!トランプ政権」な内容になっていくので、ドラマの進行と現実の政治が密接に関係してくるスリル感とリアリティ感がたまらん。

戦う60代女性 ダイアン・ロックハートはカッコいい

「グッド・ワイフ」の頃から、私はダイアンが好き。もっとハッキリ言うなら、「グッド・ワイフ」の主人公アリシアには、微塵も共感できず、「こんな人、近くにいたら迷惑だな…」と思ってた。 「グッド・ワイフ」でのダイアンは、シカゴの大手弁護士事務所の代表パートナーとして、顧客の権利を守るために、常に法廷で戦っていました。時に非情な手段を選択して敵を作ることもあったし、主人公のアリシアとも対立しましたが、凛とした姿が、本当にカッコよかった。

「The Good Fight/ザ・グッド・ファイト」でも、さまざまな案件が持ち込まれるけれど、たいていその背景に「現政権のひずみ」があるので、「グッド・ワイフ」の頃と比べると、ダイアンの敵は「個」ではなく「政権」という大きなものとなり、戦いは、まさに「グッド・ファイト」。

よりパワフルになったダイアンは、なんと60代。 本当に信じられない…。 スタイルもよく、とってもオシャレ。 もちろん仕事もできる。

ダイアンが若かりし頃は、まだまだ女性の社会進出が難しかった時代だったので、彼女は、法曹界で成功をおさめた女性の一人として周囲から尊敬もされている。しかし、投資詐欺事件後は、面倒に巻き込まれるのを恐れて、どこの事務所も彼女を雇おうとはしなたかった。そんな彼女をパートナー弁護士として迎え入れた事務所は、シカゴでは数少ない黒人の弁護士事務所。ダイアンを雇用することで、「年齢、白人、女性差別」の3つをカバーできるからというのが、彼女へのオファー理由のひとつだったあたり、アメリカっぽいな、と思う。もちろんダイアンは、その実力をもって事務所へ貢献していく。

「The Good Fight/ザ・グッド・ファイト」は、ダイアンの他にも、ルッカ(30代)とマイア(20代)という女性弁護士2名が主役級の登場人物で、彼女たちもステキなことには間違いないけれど、60代ダイアンの方が、若い2人よりずっと輝いて見えるなー。

まとめ

「The Good Fight/ザ・グッド・ファイト」のおかげで、この秋に行われるアメリカの中間選挙が、がぜん面白くなってきました。 地上波じゃないにしても、60代女性を主人公に(←ここ大事)、現政権を徹底的に批判するようなテレビ番組を放送していること自体、応援要素。

また、「グッド・ワイフ」でもおなじみのメンバーも次々に登場するので、「グッド・ワイフ」ファンにはたまりません。 タシオニさんとか、レギュラーに昇格したマリッサ(ポスト カリンダとなるのか?)とか。 まあ、「グッド・ワイフ」観てなくても十分に面白いけれど。 とにかくシーズン3の配信が待ち遠しい。